動線を意識した住みやすい間取りの作り方~家事動線②:炊事動線~
動線と間取りシリーズ、前回の生活動線、 洗濯動線に引き続き、本記事は家事動線の中でも炊事動線についてお話しします。
本記事は以下の方にオススメです。
- 新しい家では家事のストレスを少しでも減らしたい方
- 家事動線を意識した家に住みたい方
- 家事動線をいかに意識して間取りを考えるか知りたい方
- 冷蔵庫やパントリーの位置の最適解を知りたい方
是非最後まで見てください。
※本記事は対面式のキッチン、もしくはアイランドキッチンを前提にしてお話します。背面キッチン、個別(独立)キッチンはやや考え方が異なることがありますので、参考程度にご覧ください。
炊事動線について
炊事動線を考えるときは料理中だけでなく、買い物からの帰宅後の動線、ゴミ出しまでの動線を意識します。
炊事動線を細かく分けると、
- 帰宅後、冷蔵庫やパントリーに食品をしまう
- 料理する
- 配膳する
- 片付ける
- ゴミを出す
の項目があります。
これら炊事動線を意識する上で特に重要になってくるのが、冷蔵庫とパントリー、ダイニングテーブル、ゴミ箱の位置です。
炊事動線の項目に影響の大きいものを当てはめると、
・帰宅後、冷蔵庫やパントリーに食品をしまう
→冷蔵庫、パントリー
・料理する
→冷蔵庫、パントリー、ゴミ箱
・配膳する
→ダイニングテーブル、冷蔵庫
・片付ける
→ダイニングテーブル、ゴミ箱
・ゴミを出す
→ゴミ箱
出てくる回数が多いほど重要性が高いです。つまり、冷蔵庫・ゴミ箱>ダイニングテーブル・パントリーの順で重要ということになります。
以下、各項目を細かく説明していきます。
帰宅後、冷蔵庫やパントリーに食品をしまう
重要なのは冷蔵庫とパントリーの位置です。勿論キッチン入口付近ですよね。
勝手口があるなら勝手口付近でも良いです。しかし、冷蔵庫、パントリーを最も使用するのは料理中であり、いくら勝手口に近くてもあまりにも調理作業に影響してくるような配置はNGです。
その他、しまうときのことを意識して買い物袋を置く場所も考えておくと便利です。
我が家は キッチン入口に冷蔵庫とパントリーがあります。
冷蔵庫前に買い物袋を置くと、左側がパントリーになり、冷蔵庫にしまうのもパントリーにしまうのも楽です。冷蔵庫とパントリーが離れていると移動する手間が生じますので、 この配置はオススメです。
しかし、間取り上、 冷蔵庫とパントリーどちらかしか配置できない場合は、先述の通り優先順位の高い冷蔵庫を配置すべきです。
- 冷蔵庫→キッチン入り口近く or 勝手口近く
- パントリー→キッチン入り口近く or 勝手口近く
ただし、冷蔵庫優先
料理中
重要なのは冷蔵庫、パントリー、ゴミ箱の位置です。この中でもゴミ箱は最も行き来する頻度が高いため、重要度は高いです。
キッチンは大きくシンク、 調理スペース、コンロと3つのゾーンに分けられますが、冷蔵庫は野菜はまず洗うため、シンク近くが良いです。生活する上でお茶や牛乳を飲んだりするため、キッチン入口近くが理想です。
パントリーは中に入れるものにもよりますが、我が家はカレーなどのルーやパスタなどが置いてあるため、どちらかというとコンロ側が理想です。ただ最初に材料を出した後はパントリーを行き来することはあまりないため、優先度は低いです。
ゴミ箱は最もゴミが出やすい調理スペース近くが良いです。
ゴミ箱は料理中以外でも生活する中で使用することが多いため、ゴミ箱もキッチン入口付近で、かつ、リビングから目立たない場所が理想ですね。
我が家の冷蔵庫、パントリー、ゴミ箱の位置関係はこんな感じです。
ゴミ箱はカップボード下に生ごみ処理機ととともに置いています(45L×2)。
このゴミ箱、下にコマが付いていますので料理中使うときにすぐ横に持ってくることも可能です。
また、開けるときは折りたたんで(スライドして)開くのでちょうど良い具合に上に当たりません。
生ごみ処理機もキャスター付きの板に乗せているので便利ですよ。
コンセントも忘れずに配置しましょう。(アース付(接地端子付)のコンセントで!)
ちなみに、生ごみ処理機は自治体で助成金が出るところが多いのでチェックしてみてください(上限35,000円とか))。家庭菜園の肥料にもなってオススメです。
まとめると、
- 冷蔵庫→シンク付近で、キッチン入口近く
- パントリー→コンロ近く(3つの中では優先度低い)
- ゴミ箱→調理スペース付近で、リビングから目立たないキッチン入口近く
ちなみにこれ逆にみると、キッチン入口からシンク→調理スペース→コンロになる配置が理想ということになりますね。
補足:ワークトライアングルについて
「ワークトライアングル」はご存じでしょうか?
【シンク】【コンロ】【冷蔵庫】の3点を線で結ぶとできる三角形(トライアングル)が、正三角形に近いほど作業性がよくなるとされています。また、この3辺の合計が3.6~6.0mの範囲になるよう設計すると、キッチンが驚くほど使いやすくなると言われています。是非ご参考にしてください。
ちなみに、右利きの人は冷蔵庫→シンク→調理スペース→コンロを右回りに、左利きの場合はその逆に設置すると良いとされているようですが、我が家は夫婦とも右利きなのに左回りと逆です。しかし、特に不満はありません。
右回りにこだわってしまうと我が家の場合は脱衣室へのルートが 遠くなってしまうため、洗濯動線からの視点では動線が長くなります。
全体的な動線も踏まえた上で間取りは検討すべきですので、ここは参考程度に留めておくとよいかと思います。
配膳する
重要なのはダイニングテーブル、冷蔵庫の位置です。
ただ、これはキッチンとダイニングテーブルの配置によっても変わってくる項目になります。我が家はキッチンとダイニングが垂直になった、いわゆるT型と言われる配置です。
(先述の通り、ここからゴミ箱は見えませんね☆)
キッチンとダイニングテーブルが水平になった、アイランドキッチンでよく見られる(キッチンの真横配置の)I型もありますね。
配膳するときに冷蔵庫からマヨネーズを取ったりするので、 冷蔵庫はダイニングテーブルから近いのが良いので自然とキッチン入口付近になるかと思います。
- 冷蔵庫→キッチン入口付近
- ダイニングテーブル→冷蔵庫からほどよく近いところ
片付ける
重要なのはダイニングテーブル、ゴミ箱の位置です。
キッチンカウンター越しに片付ける方法もありますが、ダイニングテーブルはやはり皿を片付けるシンクに近い方が良いです。ゴミ箱はやはりキッチン入口付近が良いですね。
- ダイニングテーブル→シンクに近いところ
- ゴミ箱→キッチン入口付近
ゴミを出す
重要なのはゴミ箱の位置です。
単純にキッチン入口付近だと出しやすいですね。キッチンのゴミ箱に家中のゴミをまとめるにも、キッチン入口付近にゴミ箱があると動線が短くなります。
勝手口があるなら勝手口付近が良いかと思いますが、まとめる際の動線の具合も考慮した方が良さそうです。
- ゴミ箱→キッチン入り口付近 or 勝手口付近(動線も考慮する)
その他
ちょっとお茶を飲みたいなと冷蔵庫を開けるために、冷蔵庫が奥にあると動線が長くなります。生活動線を意識すると冷蔵庫はやはりキッチン入口が理想ですね。
- 冷蔵庫→キッチン入り口付近
まとめ
まとめると、
- 冷蔵庫⇒シンク付近で、キッチン入口
- パントリー⇒キッチン入口かコンロ近く。もしくは冷蔵庫近く。
- ダイニングテーブル⇒シンクに近いところ
- ゴミ箱→調理スペース付近で、 リビングからは目立たないキッチン入口近く
優先順位を考慮するとキッチン入口には冷蔵庫とゴミ箱を配置すべきですね。
キッチンは多くの物が集まる場所です。収納力(容量)も大事ですが、収納場所も事前にしっかり計画しておくと家事が圧倒的に楽になります。
たまにしか使わないものはどこでも良いですが、冷蔵庫、パントリー、食器類、調理器具、オーブンレンジは特に重要です。特に冷蔵庫、パントリーは簡単には配置場所の変更はできません。多くの場合、オーブンレンジもそうです(大きいのとコンセントの位置のため)。動線をしっかり意識して計画することをオススメします。
ちなみに、たまに間取りには冷蔵庫が配置されていないこともあります。冷蔵庫はどこに配置する予定なのかは確認しておいた方が良いです。
次回は動線と間取りシリーズ最終回の掃除動線になります。
ちなみに、先ほどの写真でチラッと見えていたこの穴、お気づきの方もいらっしゃいました?
さて、この穴なんだと思いますか?
答えは次回に!
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