我が家が間取りを考える上で意識した10のポイント

2021年4月6日

Spread the love


前回の記事で間取りをご紹介しました。


前回もお話しましたが、私は工務店を探しているときにはすでに間取りが9割方決まっていて、

工務店に希望の間取りを持ち込みました。

なので「この家を作るには どれだけかかりますか?」と、工務店選びの上で費用比較するのにもうってつけでした。


本記事は、その間取りを考える上でこだわった10のポイントについてご説明します。


現在、間取りを考える上でどういったことを考えたら良いのかお悩みの方の一助になれば幸いです。


間取りを考える上で意識した10のポイント

間取りの復習です。

1階

吹き抜けのある1階の間取り

2階

吹き抜けのある2階の間取り


ひとつひとつの部屋のこだわりはそれぞれ別記事で紹介していきますが、全体的な間取りを考える上で検討したポイントは以下の通りです。

  1. 鬼門、裏鬼門に玄関、水回りを避けた
  2. できるだけ家全体が四角になるようにして1階と2階の部屋の柱も合わせるようにした
  3. 家事動線が1階で完結している
  4. 日当たりが良く、風通しがいい
  5. リビングに続く洋室があり、ドアを開ければリビングを広く見せることができる
  6. キッチンからリビング、洋室が見渡せる
  7. ウッドデッキと床板の色と方向を一致させて、リビングを広く見せる
  8. トイレは廊下を隔てており、玄関の近くではあるが正面に扉がないようにした
  9. 階段下の有効利用
  10. 将来を見据え、親を介護するスペースや自宅エレベーターを設置出来るスペースを考えた


一つ一つ解説していきますね。




鬼門、裏鬼門に水回りを避けた

私自身はそこまで気にしないのですが、元々祖母が家相にこだわりがやや強い方でした。

我が家が選んだ土地に関してもやや難色を示していたのですがそれを押し切って取得したので、

家については鬼門にある程度気をつけて設計しました。



 鬼門とは北東の方角、裏鬼門は南西の方角を意味しています。

家相ではその方位に玄関や窓、トイレなどの水まわりを作ると、家の中に悪いことが起きるとされています。

鬼門

その他、色々いわれはありますが、細かい家相まですべて追求すると住みにくい家になってしまいますので、

鬼門と裏鬼門への玄関、水回りは避けるように設計しました。




できるだけ家全体が四角になるようにして、1階と2階の部屋の柱も合わせるようにした

出来るだけ1階と2階の面積を合わせることで家全体が四角くシンプルな構造にして、

庇(ひさし)を作らないようにしました。

また、同時に1階と2階の柱が合うように設計しました。

間崩れのない、柱を合わせた間取りを考える


これには2つのメリットがあります。

  • 建築費用を安く抑えられる
  • 耐震性が増す


凸凹した家は無駄な柱、壁、屋根が増えることで建築費用がかさみます。同様に今後外壁をリフォームする際にも費用がかかります。


また、いわゆる間崩れ(決まった寸法形式から外れた寸法)の家は耐震性に大きく影響してきます。

二階建ての場合、綺麗な力の流れは、屋根→2階柱→1階柱→基礎→地面と伝わっていきます。

そのためには、柱の位置が上下揃っている方が耐震面にはよいのです。

凸凹な家より、シンプルなフレームの方がたくましい構造ということですね。


       (参照元:https://lbyu-net.com/iroha/planning/planning04.php



ただ、我が家は浴室が半畳ほど北に出る結果になっていますが間崩れは起こしていません。





家事動線が1階で完結している

掃除、洗濯、料理などの動きを家事動線といいます。

この家事動線をいかにスムーズにできるか、いかにストレスを減らすかで住みやすさ、生活の質が格段に変わってきます。


家事動線や生活動線について語ると長くなってしまうので、それは次回の記事に書くことにしますが、

この中でも特に重要視される洗濯動線を考慮して1階で完結できるようにしました。

洗濯動線を意識した間取り





日当たりが良く、風通しがいい

日当たりを調節するために

夏涼しく、冬暖かい家を建てる必要なことは沢山あります。

断熱材にこだわったり窓の性能を向上させたりすることも必要ですが、最も大切なのは室内に入射する太陽光をコントロールできるかが大きな要素となっています。


その方法として、すだれや外付けブラインドなどの方法もありますが、窓をつける場所と方角、大きさをしっかり検討する必要があります。

例えばいくら断熱性能にこだわっても、西面に大きな窓が設置されていては室内温度はどんどん上昇してしまいます。



我が家のリビングは南側でさらに吹き抜けがあるため、日当たりが非常に良いです。

ただ、夏は逆に暑すぎてしまうため、夏は日差しを遮り、逆に冬は取り込むように軒(のき)と庇(ひさし)の出幅を計算しました。


庇の出幅を考えるためには、窓の高さとその地域での太陽の高度(南中高度)を調べる必要があります。

(https://keisan.casio.jp/exec/system/1185782617)のサイトで南中高度が調べられるので、

そこから真夏の10時~14時は室内が日陰になり、逆に真冬は真昼まで日光が差し込むように軒や庇の出幅を計算しました。




いずれこの方法についても記事を書こうかと思いますが、一般的には窓の高さ幅×0.3がおおよその目安とされています。



風通しを良くするために

古い湿気のある空気が室内に溜まってしまうと、カビやダニが発生するリスクが高くなります。

しかし、窓をたくさん設置すれば風通しが良くなるとは言い切れません

自然の新鮮な空気を適度に家の中に取りこみつつ、空気を留めないように循環できる風通しの良い間取りにするように心掛けました。


詳細はサッシの関連記事で書こうかと思っていますが、我が家は吹き抜けとリビング階段がありますので、階段の窓を開ければ縦方向にも空気を循環させられる利点があります。


また、我が家の窓のほとんどが縦滑り出し窓であり、この窓は他の窓と比較して風を取り込みやすい窓として知られています。

リビングと洋室の掃き出し窓、キッチンの横滑り出し窓、階段の縦滑り出し窓、ロフトの横滑り出し窓を開ければ、

横にも縦にも家中の空気が効率よく循環しますので、特に春先は非常に気持ちの良い風を家に送ることができます。 






リビングに続く洋室があり、ドアを開ければリビングを広く見せることができる

正直リビングは広くありません。

これは生活動線、 家事動線の優先、WICを1階にしたこと、クロークをウォークインにしたことのトレードオフと思っています。

その代わり広く見せることにこだわりました。


それが吹き抜けを取り入れることと、次の項目にあるウッドデッキと床板の色と方向を合わせること、そして洋室の活用です。



これはある程度は正解です。


リビングは明るく、広々と感じさせる空間が理想ですよね。

隣に必要に応じて、仕切ったり 繋がったりできる空間があるのは良いですよ。

子供が小さいときはここに布団を敷いて寝てました。

扉を閉めてしまえば最悪敷きっぱなしでも気になりません。


洋室にクローゼットを作るか悩んだこともありましたが、狭くなってしまうのと、扉の兼ね合いもあり、

また、リビングクロークなど割と収納はカバーできる部分も多かったので作りませんでした。

これは正解でした。


ただ、我が家は耐震性の影響でリビングとダイニングの間に大黒柱が来てしまったので、これが少し視界を遮ぎる結果となってしまいました。


耐震性を優先するしかありませんでしたが、少し残念ポイントになります。



キッチンからリビング、洋室が見渡せる

これはよく言われていることですね。

家事をこなしながらダイニング~リビング~洋室と見渡せるため、子供を自然に見守ることができます。

リビングとつなげることができる洋室があると広く見える

          (キッチンから見たリビングと洋室)



大黒柱、邪魔ですね。。。





ウッドデッキと床板の色と方向を一致させて、リビングを広く見せる

リビングを広く見せる工夫の1つとしてこれは有名なやり方ですよね。

我が家でも取り入れました。



間取りでいう上下(南北)方向に床板が走っており、それに合わせてウッドデッキも上下方向になっています。

これは正解でした。


リビングは普段はカーテンをしていますが、ミラーカーテンですので室内側からは薄っすらウッドデッキが見えるので、リビングと繋がり、広く感じます。

色もサンプルを取り寄せて近しい色に合わせました。


当初建築士さんから出された図面では左右(東西)方向の板張りでしたが、直してもらいました。





トイレは廊下を隔てており、玄関の近くではあるが正面に扉がないようにした

これは音と臭いを避けるためです。

スペースを少しでも確保するため廊下を減らすのはよく言われることですが、そうするとトイレの場所に工夫が要ります。

よく一人暮らしのワンルームで見られる、リビング真横にトイレという間取り。

バタン、ガチャン、ブリブリ、ボチャン、ジャー、ガチャ、キー。

全部音が丸聞こえ。


上記ならどんなに早くても大きい方と分かりますね(笑)

臭いも漂ってきそうです。

気密性の高い家なら尚更です。


また、玄関正面にトイレもいやですよね。

トイレを出たらちょうど玄関から入ってきたお客さんとあらこんにちわ


まぁ玄関近くにトイレは欲しい(特に子供がいる家庭は)ので、ある程度は仕方ありませんが、真正面から見えない工夫が必要ですね。


ドアの開く方向も重要です。

ぶつからないようにできれば引き戸(仮に倒れた時にドアが開けれるように)が理想です。

また、車いす生活になっても開き戸より引き戸である方が不都合ありません(開き戸は開けるのに一歩後ろに下がらないといけない)。

便器の方向も真正面より、横の方が車いすから移動するとき楽です。

ただ、音に関しては引き戸より開き戸の方が音漏れしにくいとは言われています。


ちなみに便器は扉を開けて向かい合わせになる状態より、横に向いている状態の方が、車いす生活になったり、足腰が弱くなったり、介護したりする上で楽です。扉を開けて逆を向いて座ることは思った以上に大変ですよ。



階段下の有効利用

キッチンから使える収納とWICに利用しました。

階段下は収納かトイレにすることが多いですが、WICも便利でオススメです。


WICの記事で詳細は記載しますが、WICの一部が階段下になっただけです。

逆に言えば、階段下の部分だけWICのスペースが広がったので、結果広く使えるようになりました。

階段下の活用でファミリ区クローゼットが広くなった

階段下をファミリークローゼットに活用した 階段下をファミリークローゼットに活用した

       (引越し直後の写真なので棚も何もない状態)

一番低いところは153cm、高いところは210cmです。

低いところは子供用のスペースになっています。

階段下のトイレだとどうしても圧迫感は出てきますが、WICは階段下分だけスペースが広がった感じになります。


我が家はシューズクロークとの兼ね合いもあり、トイレは奥行きがやや狭く、建築士さんからも心配されました。

ただ、幅はあったので照明も工夫して圧迫は感じません。


階段下をトイレにすると、圧迫感を感じないように逆にある程度スペースが必要になるのではないでしょうか?

スペースそのままでの階段下トイレは圧迫感しかありません。

間取りにもよりますが、階段下のトイレは窓の設置も難しくなることが多いです。


その点、WICは窓の必要性は低いです。

どちらかというと日焼けや結露を避けるために窓を作らない方が良いとの意見が多いです(我が家はありますが北窓です。断熱性が高い窓なので結露はありません) 。

ご参考にしてください。


低い方の階段下はキッチンから使える収納になっています。

キッチンから使える階段下収納

階段下をキッチン側の収納にして有効活用した

      (幅125cm、奥行き90cm、高さは一番高いところで120cm、低いところで80cm)


高さがないので少しかがむ必要がありますが、普段使わない鍋やホットプレートなどが入っています(ホットプレートって意外とでかくて収納場所に悩みますよね。。。)。


キャスター付きの米びつも入っていますが、これが意外と便利でオススメです。

キッチン側の階段下収納にあるオバケツの米びつ

キッチン側の階段下収納にあるオバケツの米びつ

実家からいつも精米して30kgの米袋でもらうのですが、大容量なので助かりますし、中身は重いですがキャスターが軽くて便利です。

【メーカー公式直営店】オバケツの米びつ 20kg用 キャスター付 送料無料 ラッピング対応 計量カップ付 おばけつ おバケツ 米櫃 こめびつ 乾物入れ お米入れ 保存 収納 軽い 精米 キッチン 台所 【OBAKETSU】キャスター付きライスストッカー20kg・緑
価格:11000円(税込、送料無料) (2021/3/27時点)楽天で購入


ちなみに階段下収納の照明はお忘れずに設置を。




将来を見据え、親を介護するスペースや自宅エレベーターを設置出来るスペースを考えた

将来、親を介護するようなことになった場合でも困らないように、そのスペースや自宅エレベーターを設置できるように間取りを考えました(私は一応長男です)。

介護スペースとしては洋室かファミリークローゼットを改造しようかなと考えています。


 自宅エレベーターは当初はファミリークローゼットから2階書斎へのルートで考えていました。

ただ、結果的にファミリークローゼットは太陽光発電のパワーコンディショナーや全館空調システムの配管があったりで設置は難しいかもしれません。

その場合は洋室と子供部屋のルートでも良さそうですが、玄関までのアクセスか悪くなるので、動線は長くなりそうです。



ただ、色々考えましたが、ホームエレベーター自体の値段が300万、改築となったらさらにプラスでその費用がかかるため、正直あまり現実的ではありませんね。

通常なら吹き抜け部に設置するのが良さそうです。


ちなみにホームエレベーター設置に必要なスペースは、何人乗りかにもよりますが、

最小のものなら1帖ほどのスペースがあれば設置できるようです。

段差の少ないバリアフリー、十分な通路スペースも将来を見据えて考えれば安心です。うちはキッチン入口や脱衣室入口は車イスではやや難しいかなと今思いますが(・・;)


人生100年時代です。

自分自身にとっても必要とならないようになるのが一番ですが、もしそうなったとしても問題ないような間取り作りを検討してみてはいかがでしょうか



親との2世帯住宅を検討中の方はほぼ必須かもしれません。






まとめ

我が家の間取りと検討した10のポイントについてご紹介しました。

希望を100%詰め込んだ家は不可能だと思っていますが、全体の仕上がりや住み心地を加味するととても満足のいく家になりました。


100点満点は難しいです。85 点を目指しましょう。

大事なのは優先順位をつけることです。


要望書を書くときは、A:絶対取り入れたいもの、B:出来るだけ取り入れたいもの、C: 可能であれば取り入れたいもののように、

3つのレベルに分けて考えておくと、迷ったときにスムーズに選択できます。



現在、間取りを考える上でどういったことを考えたら良いのか、お悩みの方の一助になれば幸いです。